会長挨拶


会長:吉川 哲史
(藤田医科大学医学部小児科学 教授)
今回、第60回の臨床ウイルス学会を2019年5月25日(土)と26日(日)の二日間にわたり、名古屋市のウインクあいちにて開催させていただきます。

本学会のテーマは、「Demystifying Clinical Virology、ウイルス感染症の神秘を解く」にさせていただきました。私が医師になった30年前は、小児科診療の現場はウイルス感染症の子どもたちであふれており、診療の合間に日常目の当たりにする様々なウイルス感染症の病態解明、治療、予防についての研究に没頭できました。その後、抗ウイルス薬やワクチンによるウイルス感染症予防の目覚ましい効果に加えて少子化の影響もあり、小児科診療現場の疾病構造も変わってきています。しかし改めて見直してみると、ウイルス感染症の子どもたちの数は減りましたがいまだに重篤な合併症を伴う患児もあり、散発的なウイルス感染症流行が社会的に大きな問題なることや、疫学が大きく変わってきたウイルス感染症もあります。つまり、現在もウイルス感染症の現場には解決せねばならない課題は山積しており、問題解決に向けて臨床研究と基礎研究をbridgingしてそのギャップを埋めることでウイルス感染症の神秘を解くという魅力は褪せていません。

米国NIHのホームページから、「Demystifying Medicine」というタイトルのシリーズのレクチャーを見ることができます。医学の進歩をめざし、基礎と臨床をつなぐtranslational researchの観点に立ったシリーズ構成になっています。そのレクチャーの冒頭で紹介される完成間近のBrooklyn Bridgeの写真が気に入りましたので、本学会のポスターに使いました。おかしなサブタイトルとポスターにおやっと思われた研究者の皆さん、若手を連れて是非学会に参加していただければと思います。魅力的な研究発表をお待ちしております。